記憶を失くしたわがまま彼♡




目から涙がこぼれ落ちないように唇を噛んだ。



「あは、ダメだな。応援するって決めたのに……ごめんね。尚人くん気付いてたんだね……」



そう言った瞬間、尚人くんが




「俺の前では強がるな。」




と言って抱き寄せてくれた。




私の目からは涙がボロボロとこぼれた。



「ごめんね……また、迷惑掛けちゃったね……もう、大丈夫だから」



「大丈夫じゃねぇだろ?俺は笑顔な市川の方が好きだ。」




「……ありがとう、尚人くん……」




「あーー、やっぱ我慢出来ねぇわ。」



何のことかわからない私は、唖然としていた。




そして、尚人くんの口から思いもしなかった言葉が出てきた。