今夜は来ないと思ったから
早めに食事を取ったのは
正解だったかもしれない
あなたが置いて行った
煙草から煙りが一筋
フィルターまであと少し
シャワーを浴びたいのに
解いた髪が肩に触れて
ただぼんやり消えるまで煙草を見たい気分と
今すぐ火を消して飛び出したい気分が交差して
古い映画みたいな色をした
二人の長い今までが
出会った頃のあなたが
頬を伝う雫と共にあふれてきて
忘れてた
涙はこんなに熱いこと
涙がこんな気持ちになること
あなたが言った嘘みたいな一言で
何もかもがまるで夢みたいに
終わってしまうのなら
いっそ消えそうな煙草の火と同じように
あなたを私の中から消して欲しかった

世界はたった一言で目まぐるしく変わり
たった1本の煙草さえ愛しくさせる