小さい頃からオレは父さんの息子としてピアノを習わされた。


確か…二歳だったと思う。

オレにとってピアノは生まれた時から近くにあることが当たり前の存在だったから


弾くことは全然苦じゃなかった。


小学生頃からピアノのコンクールに出てもそこそこ優秀な賞を取ったりしてて


大人達に


『将来の夢は何??』


って聞かれたら


『ピアニスト』


って答える、そんな子供だった。


でも、だんだん大人になるにつれて本気でピアニストになりたいって思うようになった。


だから高校は留学も兼ねてウィーンの音楽学校に進学した。


コンクールでも次々賞を取ったり、


学校でも先生のお気に入りになったりして正直浮かれてた。


そして高二の時、オレは国際的なピアノのコンクールで優勝した。


でも、これがオレにとっての転機だったんだ。