エデンの林檎



先生は私が音楽室に入ってきたことに気付かずに


自分が奏でる音に聞き入っている。


ポーンー…。


最後の和音が音楽室に鳴り響く。


余韻がなくなると同時に私は拍手をしていた。


先生は私がいることに驚いていて


何が起こっているかわからないのか


ビックリした顔で私を見ている。


「先生??」


私が声をかけると先生はハッと我に返ったようだった。