それどころか

「つか、この顔もってて自意識過剰にならないほうがおかしくね?」

なんて、ナルシスト発言をぶっ放してくる。



いやいやいや、

"おかしくね?"じゃねぇんだよ。

"おかしくね?"発言のほうがおかしくね?なんだよ。

呆れてものも言えんわ。



「あーあ、私としたことが…」

「なに?」

「こんなカス男に、なぜ一瞬でも心惹かれたのかしら」

「あっ、心惹かれたんだ?」

「一瞬ね」

「へー」



はぁ。

もういいや、こんな奴。

私の人生に、欠片も必要ないわ。



「ごめんなさいね、惹かれたのは見た目だけだから。まさか中身がごみだったなんて知らなくて…」

持っていた服を指定の位置に戻すと、嫌みをこめ、満面の笑みで彼にそう言い放った。



「俺も、見た目だけの女に興味ねぇから」

彼も負けじと、私にあざ笑うような笑みを返す。



「ええ。その隣にいる化学物質を見れば、一目瞭然ですわ」

「ちょ…、誰が化学物質よ!」

「えっ、ご自分のことよ?わからない?」

「な…っ!」

女は、顔を真っ赤にして怒りを露わにする。



別にこいつと話したいわけじゃないんだけど。