にしても、このマリア様になんて口聞いてんのよ。


ひろ君と呼ばれる男を私は欲しくなってしまったのだけれど、それにしても彼は憎たらしい。


「私を知ってるの?」


ここで一応、有名度確認。


「当たり前ですよ。マリア様は美しくて有名ですもん。」


その答えを聞きたくてわざと
聞いたのよ。


「そんな、それほどでもないわよ」

ここで謙遜しとく。


「マリア様、俺のこと知ってる?」


いやいや、私たちは
完全なる初対面でしょう。

そんな、私が知るはずない。


「知らない。誰?」


すると彼はクスッとまた憎たらしい笑みを浮かべて…


「へー、マリア様でも知らないことなんてあるんだ。」


そう言った。