「最悪!」

常に携帯を肌身離さず持っている私にとって、学校に置き去りにしたままというのは、死んでもありえない行為。

だから、今から取りに行く以外他に道はないわけで…。



「めんどくさ…」

ポツリとそう呟きながらも、仕方がないと自分に言い聞かせ、来た道を再び戻りだした。

一条も帰っちゃったから、携帯借りて下僕に連絡とるのも不可能だし…。



っていうか、携帯忘れたのって100%あいつのせいじゃん。

あいつが今日やたら絡んでくるから、私の生活リズムが乱れに乱れ、こういう事態が起きたのよ。

ほんと、いい迷惑。

もしまだここにいたら、走ってでも取りに行かせるのに。

仕返しに、明日から無視でもしてやろうかしら。









――しばらくして、ようやく学校にたどり着いた。

まだそんなに遅くはないせいか、まばらと人が残っている。

おおよそ、部活終わりの生徒ってとこだろう。



ローファーから上履きに履き替えると、私はそそくさと自分のクラスに向かった。

さすがにもう誰もいないかなぁ。

なんて思いながら、教室の扉に手をかけようとしたとき…






「「「「キャハハハハハハハ!」」」」

中から、4,5人の下品な笑い声が聞こえた。