こいつの誘導に乗ってしまった…。

なんという屈辱。


でも選ぶって言ってしまったものは仕方ない。

テキトーに選んでアイス買ってもらおう。


ってことで

目の前にあった服をテキトーに選んで

奴に押し付けた。



「………これー?」


奴は黙って私の押し付けた服を取ると、

そのままレジに向かっていった。


「え、ちょっと、試着とかしないの!?」


「は?

だってマリアが選んでくれたし

それで十分じゃん」


「……………あなたがいいなら別にいいけど」


なんかちょっと悪いことした気になるじゃん。






BURBERRYを出てアイスを食べにきた。

アイスを食べ終わったら、

下僕を呼んでこいつとサヨナラしてやる。


「なに、マリア、難しい顔して。

そんなにイチゴ2倍嬉しかった?」


「ちょっ、黙ってもらえるかしら!

…わたし、アイス食べ終わったら帰るから。」


「……………もう?」


「やっとよ。

下僕が迎えにくるから。」


「あ、そ。」


……案外あっさり引き下がったな。






アイスも食べ終わって、奴とサヨナラした。


さあ、下僕に電話、と。


ポケットに手を突っ込むと、


「………………え?」


ポケットの中にあるはずの物がない。


え!?


あいつ、スった!?


いや、そんなことまでする奴じゃない、



あ、そういえば、


ケータイ学校の机の中に置いてきたわ