なんとかカメラから逃げてきて、LIP SERVICEの隣にあるBURBERRYに来ている。


手?

そんなの途中で無理矢理振り切ってやったわ。

振り切ったのに。

振り切ったのに、繋がれてた感覚が残っている。

ひろって、この男って、一体なんなのだろう。少なからず、私の心臓はうるさかった。


「マリア、どれがいいと思う?」

「どれでもいいじゃない。どうせ何でも着こなすくせに」


そして、なんで私はこの男の服を一緒に選ばないといけないのだ。

この男に出会ってから
まだ数日も経ってないが確実に振り回されている。

マリア様の平穏な生活返せ。


「そんなこと言うなって。光栄だろ?俺の服を選ばせてもらうなんて」


あー、もう無視無視。


「ほら、後でLIP SERVICE連れてってやるから」


無視。
毎回毎回そこで服買わんわ。

「ほら、ストロベリーアイス買ってやるから。イチゴ2倍でどうよ」


「いいでしょう、選びましょう」


はっと我に返り、
ーーしまったと思った。