マリア様!


何て言うのが最善だろうか。

1、2秒考えたが、これ以上の沈黙は危ないと思い、

とっさに口を開いた。



「だったら、何?」


生まれてこの方培ってきた傲慢さは

嫌気がさしたとはいってもそんな簡単に直るものではない。

結局出てきたのはヤツを挑発するような言葉。


だけど言った言葉に後悔はなかった。


一条でも二条でも知らないもんは知らない。

兼良と良基の区別もあんまりついてないんだから、

ましてひろ君なんて知るわけない。


「私が気づかないってことは

その程度の魅力ってことなんじゃなくて?」


さらに追い打ちをかけてやった。

クラスの男子が私の支持に回って、

口々にそうだそうだと言う。


いや、あなた達に言う資格はないんじゃない?

だって、あなた達ひろ君より魅力ないもの。


と言いかけたがこれは抑えた。


「あー、まぁ、そういう奴だよな、

マリア様もな」


「も?………」


こいつ、挑発しやがったのか。

私がこいつと似たような性格だって確認するためにわざわざ皆の前であんなこと言ったのか。


「まあ、マリア様が俺のこと知ってたかなんて話はどうでもいいんだけど」


どうでもいいんかい!

大げさな演出しやがって!


「昨日さ、

あの後どうなったと思う?」


「……!」


今度は昨日の顔面パラダイスな女の話か。