マリア様!



性格が歪んでいる上に
私も自意識過剰だった。


この男と同じなのだ。

綺麗だから、美しいから、可愛らしいから。何をしても、何を頼んでも許されて。当たり前だと思ってたわ。

私だって、十分に自意識過剰じゃない。


この男と、何も変わらないじゃない。


それでも人はみんな私とこの男に憧れを抱き、好意を持つのだ。この顔で、この容姿で生まれたのだから仕方ないじゃないと思う私はやはりその点でも自意識過剰なのか。


初めて、少し自分に嫌気がさした。


もし私が凡人だとして、私のような性格の人を見たらきっと腹が立つ。


少し、改めようかしら。
なんてったって、この男と同じだなんてまっぴらごめんだわ。



「この、マリア様が俺のこと昨日まで知らなかったんだよ。なー?マリア様」


イラッ


みんなが知っている一条様を私は知らなかった。あの有名な一条様を知らない。


なんて言い返そう。



言葉に詰まった。