「サンキュッ!!」

山下君は笑顔で言った。



ああ、これがおまじないの効果なのね。

喋りかけてくれたり
下の名前で読んでくれたり…

顔が赤くなったのを見られないように
下を向いた。



「あとさー、
のり子ちゃんのアドレス教えて。」



……………へ!?


私は驚いて赤いままの顔を上げた。


「もう1枚紙ある?
アドレス書いてくれない?」


「あ、うん!」

私はもう一度生徒手帳を開いて
名前の書いている紙の余白を切り取った。
そしてアドレスと名前を書いて山下君に渡した。


同じ作業をしている他のメンバーが
ニヤニヤしながら私を見つめる。

ええい!見るなっ!!


「へえー、典子って書くんだあ。
ありがとう。じゃあ送るね!」


「あ、うん。」


私は顔が赤いまま作業を再開した。