鳥の可愛らしい囀り(さえずり)が聞こえる。




「…ん……」




あたしはゆっくりと目を開けた。




カーテンの隙間から朝日が差し込んできてるのか何となく見える。




そしてあたしの目の前にいるのは、あたしの愛おしい人。




スヤスヤと気持ち良さそうにあたしの腰に両腕をガッチリと回して、眠ってる。




綺麗な白髪が朝日に照らされてキラキラと光ってる。




つい触りたくなって手を伸ばす。




でも起こさないようにそっと白髪を撫でる。




5年前と変わらない髪色。




年と共に変化したりするものだと思ってたけど、裕也は変えてない。




何で白髪のままなの?




って聞いたら、




麻衣が気に入ってくれてたから。
って微笑んで言ってた。




あ、あと麻衣のこといつでも思い出せるようにとも言ってたっけ。