「ねぇ、いつになったら振り返っていいの?」




『まだだーめ。いいよって言うまで待てないの?麻衣は』




「だってずっと後ろで何かしてたら誰だって気になるじゃんか」




『ふふ、確かにね。俺だったらすぐに振り返っちゃうよ』




「そうでしょ?だから早くしてよ」




『急かさないでよ麻衣。ほら、振り返っていいよ?』




「…やっとね、一体何が……




それは…ケーキ?裕也も三角の帽子なんてかぶっちゃって……」




『…あれ?麻衣忘れたの?
今日は麻衣の誕生日でしょ?




ほら、バースデーケーキ。
早く火を消して食べようよ、これ俺の好きなショートケーキなんだ』




「…ふふ、ケーキの好みは裕也の好みなのね。
はいはい、早く消すから待ってて」




裕也はいつもサプライズみたいなのが好きで、こうやってあたしの誕生日にサプライズでケーキを持ってきてくれた。




でも味の好みはいつも自分ので。