「…バカ。それは次の日になってから言えばいいから。
来ないなんて確証、どこにもないだろ?」




その続きの言葉は明日聞かせろ。




そんなことを言って伊織は去って行った。




そう、だよね。




もう好きって言えるのなら、裕也を待ってる必要なんてないんだから。




こんなとこに寄らなくても、家に帰る途中で「好き」って言えばよかったんだ。




家に帰る前にここに立ち寄ったということは、今日はマフラーをしてきたということは…




あたしの身体は勝手に裕也を待とうとしてるんだ。




最後の希望にすがりついて、裕也を待ってるんだ。




そんな希望どこにもないのに。




ま、でも最後だし待ってみようかな。




そんな軽い気持ちで待ってみることにした。