やっぱ言わなきゃ駄目か。 「…そうだよ、嘘じゃない。 あたし好きだったよ拓の事」 拓の目が驚きで見開く。 日に焼けた顔も爽やかな笑顔も 不器用な優しさも 全部、全部好きだった。 でもそれは もう過去のことなんだよ。 戻れないんだよ。 「なら、何で… 要するに両想いだった、てことだろ?」 「けど今、あたし達は付き合ってない。 あたしが拓のこと好きだったのは今じゃない。 過去なの」