程なくして紅梨に追いついた。
「紅梨っ」
小さくて壊れきった紅梨。
ずっと悩んでいた。このままじゃいけないと。
まるで紅梨を見捨てているようで。
でも、俺にはどうすればいいのか
わからなかった。
きちんと、話さなくてはと思っていた。
逃げてばかりでは駄目だ。
「紅梨…こっち向いてくれ」
ぴたっと、紅梨の足が止まった。
「何?真柚に行けって言われて
のこの来たわけ?
拓はうちじゃなくて真柚を選んだんでしょ。
まぁ真柚を選ぶなんてわかりきってたけどさ」
「そうとってもらって構わないけど、
真柚には振られたよ。
でも、俺は紅梨の事嫌いじゃないし
友達だと思ってる」
