ガチャン。 突然ドアが開いた。 咄嗟に佐野有の腕の中から離れる。 「どうして…」 「何だよ。 盗み聞きか?趣味悪いな」 今、目の前に立ってるのは 拓で。 これは夢なんかじゃなくて。 あたしの中をぐるぐる渦巻く感情。 もう訳わかんないよ。 「俺だって別に来たくないよ。 伊東が責任取るから 決着つけろって言ってきたんだよ。 だから来ただけだし」 「は?和樹が? 何考えてんだよ、あいつ」