「じゃあ拓君の片想いか」 「えっ?」 「何、知ってるくせに」 さらっと真顔で何言ってんの。 お母さんは格好良いとは思うけどたまに怖い。 何考えているのかもよくわからないし。 「別に」 「真柚は私に似て器用だからね。 ある意味不器用だけど。 まぁ上手くやんな」 「…あたしの勝手だし」 別に器用なわけじゃない。 あたしとお母さんは違う。 あたしは… 臆病なだけだ。