「…ったく、おまえは…もう…」
委員長はハァッとため息をつくと、
ちょっと目を細めてあたしを見て。
次の瞬間、強く強く、抱き締めた。
「っえ…委員長…?」
「…待たせてごめん。
…寒かっただろ…?」
労わるような委員長の声に、零れかけていた涙がポロリと、落ちる。
「……も、模試は終わったの?」
「……あぁ、終わった。色々な意味でな」
「…え?」
ギュッと委員長の腕に力がこもって。
「解こう解こうと思っても、全く問題が頭に入ってこない。
集中しようとすればするほど、竹内の顔がチラついて…
こんなの初めてだ」
「う…嘘だー…」
「嘘なわけあるか」
「だ、だって!」
あたしは委員長の両腕をつかんで、グイッと無理矢理引き離す。
「委員長、あたしのことなんてどうでもいいクセに。
クリスマス一緒に過ごしたいって思うのも好きなのも全部あたしばっかりで。
待ってるって言ってもダメだって、そればっかり…」
「それは!」
委員長は強くあたしの言葉を遮った後、気まずそうに視線を落として
「…それは、遅くなるのが分かってたから…
絶対寒いし、変な男に声とかかけられたら…困るだろうが…」
…委員長の頬が赤いのは、絶対寒いからって理由だけじゃない気がする。
……委員長…あたしのこと心配してくれてたの…?



