「おはよ…」 「明子おはよ。早く席ついて、朝ごはん冷めちゃうわよ」 お母さんは静かに笑いながら席についた。 お父さんは新聞を読むのに夢中になっている。 私は、湯気の立つみそ汁とご飯をじっと見つめながら座った。 「もうすぐ高校入試だけど、ちゃんと勉強してるの?」 「うん。大丈夫だよ」 私は小さく笑った。 「そう」と言ってお母さんはみそ汁をズズーとすすった。