すると彼は今度は口にてを当てて外を眺めた。 「俺そんな風に見られてたんだ……」 「今なんか言った?」 あまりにも小さくて聞き取れなかった。 「別に女を弄んでなんかないよ」 「じゃあなんで」 「向こうが勝手に寄ってくるだけで、俺は知らない。だから、本気で好きになった女なんかいないよ」