「もうすぐ高校入試か……」 私は鏡の前に立って制服を着た。 スカートは膝下。髪の毛はおさげ、しかも眼鏡。昭和っぽいとよく言われるけれど、これが一番楽。 「明子ー!早く降りてきて、朝ごはんできたわよー!」 下からお母さんが大声で私を呼んだ。 高月明子(たかつきめいこ)。 それが私の名前。