「オービューティフル!マイフェアレディ。
さ、早く輪の中に入って」
ナセルが言った。

「今四人で空港でやったように右手に石を握り締めて
ナムストーンをやったんだけどぜんぜん浮かないんだ。
早くこの間に入って」

「OK!」
「せーの、もう一度。ナムストーン!」

みんなで唱和した。すっと30cmほど浮かび上がって
すとんと着地した。

「やはり5人じゃないとだめだな」
ケムンが言った。
「大声出してナムストーンと叫び続けてみようよ」

キーツがすかさず、
「そうだね、叫び続けてみよう」

みんなは大きくうなづいた。
せーのでみんなは大きく深呼吸して、
「ナムストーン、ナムストーン、ナムストーン・・・・」

10数秒がやっとだ。しかしその間は確かに宙に浮いて
いるような気がした。

どっと疲れて皆床にしゃがみこんでしまった。
ナセルは寝そべっている。オサムオサナイが言った、

「今日はもう休みましょう。長旅の疲れもあるでしょうから
シャワーを浴びてゆっくり休んでください。明朝9時から
明日一日かけて研究発表会をやりましょう」

みんなで叫んだ。
「OK!グッドナイト、ナムストーン!」

その瞬間、しゃがんだままみんなのからだが一瞬宙に浮いた。
寝そべったまま着地したナセルは頬杖であごを打った。
みんなの笑い声が大きくはじけた。