翌日は朝から大原の奥の古知平(こちだいら)
というところに向かった。

周りを山に囲まれた中にかなり広い平原がある。
人もいない不思議な場所で京都中央ホテルから車で約1時間。
天気予報では16日まで晴天が続くことになっている。

車を県道沿いに止めて木立を抜けるとだだっ広い原っぱ。
四方はかなり高い山に囲まれている。

5人は手を組み空に向かって浮上した。
周りの山の標高は700mはあるからそれを越すには
まだ相当の訓練が必要なようだ。

みんなの気持ちが一致していないとどこかにひずみが生まれて
どっと疲れる。滞空時間も30分が限度だ。

雲のごとく浮かび風のごとくそよぎ鳥のごとく旋回する。
大文字の夜に五山から飛び立ち京都の上空で舟を向かえるためには
まだまだ高度な技術と精神の集中が必要だ。