-ヤンキー-  華怜side


私の高校生活は、順調に進んでいる。
入学式から一ヶ月。
まだ、事件は起こってない…
でも、起こってしまった。


私は今校舎巡りを楽しんでいる。
もう一ヶ月も経っているというのに、
教室の位置確認がまだ分からない。
だからこうして、いつも校舎をグルグルと回っているの。
すると、あまり人気のない所にたどり着いた。
ここ、どこだろう…?
こんな所あったんだぁ~。
そんな事を思いながら歩いていると、
「ねぇ、君一年生?」
と、後ろから声をかけられた。
誰だろう。
そう思いながら振り返った。
私はその瞬間、背筋がゾッとした。
だってそこには…
「俺らの陣地に勝手に入ったら困るねぇ~。」
ヤンキーがいたから。
私は、今でいう「箱入り娘」だったから、ヤンキーなんて
少し話で聞くくらいだった。
話でも、怖いという事くらい聞いている。
私はヤンキーというものを恐れていた。
そして今、恐れていたものがここにいる。
「ご、ごめんなさい。」
私は頭を下げて謝った。
「タダで返すわけにはいかないだろ~。」
そう言って私を壁に抑えつけた。
怖い!誰か…助けて!
そう思ったとき…