－不思議な男の子－　　華怜side


私が自分の席に着き、静かに本を読んでいた。
すると、
「よ！初めまして。俺は、工藤　翔羅。よろしくな！」
急に声をかけられた。
ショウラ？珍しい名前。
「あ、私は、姫野　華怜です。よろしくお願いします！」
と言って、ニコッと笑ってみせた。
ん？今、工藤くんが顔を赤く染めたのは気のせい？
そして、工藤くんは口を開いた。
「あ、俺の事は、翔羅でいいからな。」
と、相変わらず顔を赤くしてそう言った。
「私も、華怜でいいですよ。」
私も、そう言った。
そして、翔羅が口を開いた時、
「あのさ…」
すると結奈が窓際から私を呼んだ。
「華怜！一緒にお喋りしない！？」
私は、翔羅と結奈、どっちに行けばいいか分からなかった。
そしたら、
「行っていいよ。」
翔羅がそう言った。
優しい、そう思った。
私は今まで一度もこんな優しい男の子に会った事がない。
「あ、すみません。じゃあね。翔羅！」
私は、男の子を名前で呼んだ事一度もなかったから、ちょっぴり緊張した。
そして私は、結奈のいる方に走って行った。
でも、結奈とお喋りしている時も、翔羅の事が気になってしょうがなかった。
これって…
好き…なのかな？
恋…なのかな？
私は、本気で恋なんてしたことなかったから、いまいち分からなかった。
そして、翔羅の第一印象は「不思議な男の子」だった。