「へ?澤嶋の給料で生活してるんじゃないの?」

「どうして朱くんのお給料で生活するの?」

「だって…同棲してるんでしょ?」

「同棲っていうか…。」

「同居だよ。」


すると二階から下りてきた朱がそう答えた。


「同居……?ちさと澤嶋って恋人なんでしょ?」

「あぁ。」

「じゃあ同棲じゃない。」

「でも…同棲って感じではないかな…?」


朱は頷き、茜の隣に座った。
そしてパスタを食べようとフォークを手にした瞬間、茜がパスタをスッと横に動かした。


「何すんの?守崎。」

「まだ質問中。」


茜は毅然とした態度でそう答えた。


「俺腹へってんだけど。」

「知らないわよ。食べたかったら質問に答えなさい。」


朱の若干の怒りを含んだ声に茜は少しも動じなかった。


「同居って何?」


茜の変わらない態度にしびれを切らした朱は溜め息を吐き、千紗野を見た。

千紗野は困った様な表情を見せ、朱に言うように促した。

朱はまた溜め息を1つ漏らした。


「ったく…頑固な奴。」