「どういう事?」

「お客さんがいる時に朱くんジャージで下りてきた事があって…。」


千紗野はなおもクスクスと笑った。


「見付かりかけたってことは……見付からなかったの?」

「まぁ…微妙だけどね?」


茜は溜め息を1つ吐いて、立ち上がった。


「CLOSEにしとけば良いのね?」

「ありがとう、あーちゃん。あっ…朱くんは着替えてきて。」

「…分かったよ。出来たら呼んで。」


朱もまた立ち上がり、二階へと上がっていった。



ーーーーーー
「朱くーん!!出来たよー?」


千紗野は出来上がると同時に上にいるであろう朱に声をかけた。


「おー。すぐ行く!!」


朱の声を聞き、千紗野は茜の隣にセッティングをした。


「ねぇ…いっつもこんな感じなの?」


茜は呆れたように千紗野に話しかけた。


「こんなって?」

「澤嶋、休みなんでしょ?どこも行かないでちさは店開けてるんだよね。…疲れない?」

「特には…。だってこの店定休日多いし、開けられる時に開けとかないと。」

「澤嶋の給料で食べていけるんじゃないの?」

「朱くんの給料?どういう事?」