「……いつから帰ってなかったの?」
「1ヶ月前ぐらい。写真集の仕事でハワイに行ってた。」
「……その間ちさに連絡は?」
「してない。」
「……なんでよ。」
「したら会いたくなるから。」
茜と朱はボソボソと口論を続ける。
「……それ絶対ちさを傷付けてるから。」
「ちぃも会いたくなるから連絡いらないって言ってたし。」
「……それでも連絡するのが彼氏ってもんでしょ。」
「そこで連絡しないのが俺なの。」
「……役立たず。ちさを傷付けたらはっ倒すから。」
「ちぃを傷付けるとかありえないから。」
朱がそう言った瞬間千紗野が厨房から顔を出した。
「あーちゃんごめん。お店の扉にかかってるやつ"CLOSE"に変えといてくれないかな?」
「良いけど…何で?」
「朱くんがここにいるのバレたらまずいから。」
千紗野はそう言ってくすっと笑った。
「前見つかりかけたの…ジャージ姿で。」
