私はそのあとなんとなく予備校近くに足を運んだ。 そこに行ったら一宮先生に会えるって思ったから。 「ふぅっ…寒ッ」 ふーっと自分の手の平に息を吹きかける。 マフラーに顔を埋める。 「理子ちゃん?」 聞き覚えのある声が後ろの方で聞こえた。 私はそーっと振り返った。 そこには会いたかった人が立っていた。