年下の不良くん《番外編》



「にしもよー、翔も丸くなったもんだよな」


パンを綺麗に平らげた武蔵は、ぽいっとゴミ箱にゴミを捨てた


「んだよ、俺は元々オトナシーです」


「嘘付け!!
あんだけ喧嘩だらけだった野郎が!!」


「お前もな」


「うっ、そこは触れないで……
うぇっほん…えー、話を戻しますが…」


「んだよ、まだすんのかよ」


もうこいつの相手は疲れた


「どれもこれも、りりかちゃんのおかげだねってわけですよ」


「……うっせぇよ馬鹿」


んなこと自分でもわかってる


面白くない学校だって、りりかがいるなら行こうと思える


喧嘩をして傷だらけになった俺を、彼女が見て泣くなら喧嘩は控えようとも思える


俺の行動の全ての中心にいるのは、“りりか"なわけで


きっと彼女がいなくなってしまったら、俺はもう生きていく術を、無くしてしまったようなものになるだろう



りりかは俺の全てだ



それくらい、りりかの存在は大きい



「りりかちゃんも、変わったよなぁ
なんか明るくなった」


昔を思い出すかのように、武蔵は目を細めて遠くを見つめる


「明るくなった??」



「うん、前はちょっと無理してんなって感じる時があったんだよ
多分、母親がいないから寂しかったんだと思う」


「……そうか」


俺はまだ、武蔵のように彼女の事を語れるまで、彼女のことをよく知らない



けど、俺達はこれからだ