(キーンコーン。カーンコーン。)

すると突然、校庭解放の終了を知らせるチャイムの音が響き渡りました。

「また、遊ぼうね。」

「楽しかった。またね。」

『じゃぁ、明日。』

皆と校門で別れました。

カイ君とギョンスは同じ方向に向かって歩き始めました。

カイ君は、ちょっと興奮ぎみで歩いているので、
『本当面白かったよね。』と声をかけるまで、ギョンスが、かなり手前で足を止めていることに気付きませんでした。

『あれっ。ギョンスっ?』

と振り向くと、

「カイ。僕、僕、ほんとは、たんぽぽなんだ。カイが石をどけてくれたから気持ち良かった。お礼がしたくて・・・。一杯友達出来るといいね。」

そう言うと、ギョンスは振り向き様に走り去ってしまいました。

『ギョンスゥ~~~~っ。』

カイ君は、何が何だか??わからずに
暫くその場を動くことが出来ませんでした。

それでも仕方なくカイ君は、いつもの道を帰りました。

土手に差し掛かり、いつものたんぽぽを見ると、

たんぽぽは、綺麗な真っ白な綿毛になっていました。

『わぁ。綿毛になってる。』

思わず声をあげると、突然、突風が吹いて、綿毛がフワッと舞い上がりました。

「またねっ。」

ギョンスの声が聞こえたような気がして、キョロキョロ辺りを見回したカイ君。

もちろんギョンスの姿などなくて・・・・・。

綿毛はカイ君に別れを告げるかのように、風にのって飛んでいってしまいました。。

暫くの間、その飛んでいく綿毛を見ていましたが、

『あっ。今日はあのテレビあるんだっ。』

と急いで帰りました。

あれからギョンスには会えなくなりました。

寂しいけれど、でもカイ君には、新しい友達が出来、楽しい生活を送っています。

ある日・・・・・。

ふと家にあった玄関のプランターを見ると、小さなたんぽぽが一輪咲いていました。

カイ君は思わず

『久しぶり。ギョンスっ。僕、友達出来たよ。』と声をかけました。

~~Fin~