今日もいつものように土手に向かいます。カイ君が、土手のたんぽぽを見つけてから、もう2週間が過ぎようとしていました。

カイ君がたんぽぽのところへ行くと、たんぽぽが萎んでいました。

『枯れちゃったのかな・・・・?』

カイ君は、少し寂しそうに帰りました。

次の日もやっぱりたんぽぽは、萎んだままでした。カイ君がたんぽぽの隣に座りボーッとしていると、

「君、たんぽぽ好きなの?いつもたんぽぽ見てるよね。たんぽぽは今次のステップへの準備期間なんだよ。」と後ろから声がしました。
ビックリして振り向くと、一人の男の子が立っていました。

「僕、ギョンスっていうの。君は?」

『カイ』

「カイかぁ~~。僕引っ越して来たばかりなんだけど、カイいつもここに座ってるよね。話してみたいなって思ってたんだよね。」

そう言って笑うから、カイ君も何だか嬉しくて『そうっか。』っていいながら、ちょっとつられて微笑んでしまいました。

少しの間他愛もない話をしていると

「1週間後の放課後、一緒に遊ばない?校庭に行くからさっ。」

『えっ。いいけど』

「良かった。じゃまたね♪」

そう言うと、ギョンスは足早に帰って行ってしまいました。

ギョンスが急に帰ってしまったのでカイ君はちょっと呆気にとられていましたが、放課後の約束を友達としたことがなかったので、内心とても楽しみでした。

気付くと、外はすっかり日が落ちていたので、カイ君も急いで帰りました。