「氷室……? はて、どこかで聞いたような」
 


ヤナギヤさんのいぶかしげな顔。
 


「ひ、氷室涼輔だってぇ?!」
 


シュウちゃん(探偵助手?)が、素っ頓狂な声を上げた。



探偵事務所の奥の部屋を引っかきまわし、一冊の雑誌を手にドスドスと音を立てて戻って来た。


さっき紅茶をこぼしたし、何だか落ちつきのない人だ。