ちなみに、ヤナギヤには他にもいくつかポリシーがある。



その中には、例えば知り合いの警察署長に会った時はとりあえず困らせるとか、


処女とは寝ないとかいうのも入っているらしい。



数多くのポリシーを持つ男なので、僕が知らないものも、まだまだあるだろう。


 
僕自身、こんな困った男の所でよく何年間も働いているものだ、

と時々不思議な感慨めいた気分になる。


が、実際楽しいのだ。
ヤナギヤの事務所で働くのは。


ここでの経験を元に推理小説を書けるなどとは、ぜんぜん思っていない。



むしろ、ユーモア小説だろう、ヤナギヤを主人公にすえるとしたら。