ROMANTICA~ロマンチカ~

「ツルだって、機織りくらいはして行くものを……。

それなのに、おまえと来たら、トキのくせに、ケガで身も心も弱り切っているこの私をほっぽって、『もうダメだ、これでおしまい、ハイさようなら』なんて、辞世詠んでるし! 

アッタマ来た! この絶滅危惧種!!!」
 
身も心も弱り切っている人にしては、元気そうだった。
 

「あの、辞世……って……?」
 

「すっとぼけるな! 

生まれ変わったらとか書いてたくせに。キッタナイ字で!」
 


「ああ、あれは、一旦書こうとしたんですけど、やっぱりクサ過ぎるかなって、思って……。

それに、あたし、別に辞世なんてつもりなかったし」