この夢のこと……

中一の時、親友だと思っていたクラスメイト(女)に一度だけ話したことがある。


彼女は爆笑して、


「このご時世に白馬の王子様かよ! 
やっだー、もう都季(とき)ってばあ! トキだけに絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)ってかぁ?! 
ワシントン条約で保護してもらえ? あはは、今のギャグ、センス良くない?」


あたしにしてみたら、「つまんねぇよ、タコ」って感じだった。

けど、相手は面白いと思ったみたい。


爆笑しただけではあき足らず、学年中にその話をふれてまわった。


だからあたし、彼女が小学三年生までおねしょをしていたことをみんなに暴露して仕返しした。
 

中学卒業まであたしのあだ名は「ワシントン」だった。

でも相手のあだ名は「しょんべん娘」だったから、それよりはマシだろうけど。


もちろん、その時点で既に友情はジ・エンド。
 

儚(はかな)いもんだね、女の友情なんて。
 

それ以来、夢の話、あたしは誰にもしたことがない。



だけど……

夢の中の少年は、あたしの初恋の相手。


やっぱり、あたしってちょっとヘンかもね。