ROMANTICA～ロマンチカ～

もともと体力自慢でもないし、運動神経も良くないしね。

　
その夜は、もう冷血漢と顔を合わせることもなかった。


今朝になって、どうしても大学に行かなければならないと執事さんに言って、お屋敷を抜け出した。


一旦大学まで行って講義を受けた後、運転手をまいて逃げ出したっていうわけ。

　
何とか三人に電話連絡だけでもつかないものかと、昨日からケータイだけではなく、大学やコンビニの公衆電話からも何度も試してみたのだが、何度かけてもつながらない。　
　
クレイジーだわ。

　
とにかく、大切な人たちとの再会を目指し、まるで現代によみがえったジュリエットのようなやり方で自由の身となったあたし。


ママと一緒に住んでいた懐かしの我が家に先ほど戻ってきた。


でも、中に入ろうとしたら、なぜか内装をリフォーム中ではあーりませんか！　


工事のおじさんをつかまえて理由を質してみたところ、施工主（せこうしゅ）にきいてくれの一言。


仕方ないから施工主に電話した。


不良債権（ふりょうさいけん）の処理がどうたらこうたら言うだけで、話にも絵にもなりゃしない。