これは、あたしとママの問題なのだから。

親子の問題なのだから。

涼輔さんは、みんなから頼りにされて、慕われている。

氷室のおじ様が、原島さんがどれほど涼輔さんを愛しているか、知っている。

涼輔さんみたいに優しい人を、おバカなあたしなんかのために、危険な目に遭わせるわけには断じていかなかった。
 

「理恵子さん、あたし、死ぬから。

首でもくくって死ぬから、だから、人質交換なんてやめて」
 

旗丸理恵子に向かって言った。
 

「輪姦でも何でも、したければすればいい。

だから、涼輔さんを巻き込まないで」
 

『都季!』
 

電話から涼輔さんの声。