ROMANTICA~ロマンチカ~

実際、告白ではあったのだが、彼が好きなのはあたしではなかった。
 


『……』


 
黙っていると、高梨君が続けた。


 
『俺、このこと千住に一番に言いたくってさ。だって、親友だろ?』
 
『よ、良かったね……。おめでとう』


 
無理してあたしは笑ったけど、きっと顔が引きつっていたと思う。

その後、高梨君がいった事は、どこか遠くから聞こえてくるみたいに感じた。



彼女は私立の女子校に通ってて、大学は英文科に行くつもり。

将来は主婦業のかたわら絵本の翻訳家の仕事ができたらいいなって言っている。


受験が終わったら、彼女の両親に会うつもり。