その途端、会場は水を打ったように静まり返る。

イビりの言葉も消え、視線だけになる。
 


涼輔の挨拶は、まず千住ドットコム社員に向けて、ママの死に対する追悼の言葉から始まった。

そして、ママの死は辛いことで、日本のIT産業に対しても大きな打撃であるけれど(んな、大げさな)、これを乗り越え、二つの会社が協力して支え合って行くことで、きっとこの合同プロジェクトは成功する。


そう締めくくった。
 


会場から沸きあがる拍手。
 
氷室物産の社員だけじゃない、。


千住ドットコムの社員たちの心も、彼はつかまえていた。

あの人も、あそこにいるあの人も、みんな拍手をしている、社員の中には(あたしを含め)、そっと涙を拭う人すらいる。