春馬はしばらく俯いて黙っていたけど
顔を上げて俺を見た。
「蒼海って苦労してんだな。
俺、友達なのに何も知らなかった」
「俺が言ってないんだから
知らなくて当然だよ。それに・・・」
『それに、友達じゃなくて親友』
って言おうと思ったけど
空来が何か言いたそうな顔で
俺を見てたから今度にする。
「牧野くん。牧野くんは・・・
私の友達でもあるから
私の話も聞いて欲しいな」
「うん、俺で良いなら・・・」
違うよ、春馬。
空来は春馬に聞いてほしいんだよ。
「ありがとう。気楽に聞いてね。
私は、両親ともお姉ちゃんとも
家族誰とも血は繋がってないの」
春馬は驚きを隠しきれてない。
でも、それは当然だと思う。