「家族なのに・・・兄弟なのに・・・
本音も言い合えないなんて変だよ。
私・・・お父さんともお母さんとも
お姉ちゃんとも家族誰とも
血は繋がってないよ。
でも言いたいこと言えるよ。
泣きたい時泣けるし不安な時話せるし
嬉しい時は一緒に笑えるよ。
ちゃんと血の繋がりがあって
今は違うかもだけど心の繋がりもある。
なのに・・・」
感情が高ぶりすぎたのか
空来は顔を真っ赤にして涙を流した。
空来の涙を見るのは多分2回目。
安藤がいなくなった日以来だと思う。
「空来・・・少し落ち着こう?」
俺は椅子に空来を座らせた。
少し過呼吸気味になってる。
このまま落ち着いてくれたら良いけど。
「・・・空来が言うこと俺わかります。
俺にも血の繋がりだけの家族がいたから。
心が繋がることはなかったけど
今は施設の人が家族だって思ってる」