職員室で鍵を確認したら


教室の鍵はなかった。


もしかしたら教室に・・・。


春馬と教室に走った。



「空来!」「安藤!」



叫ぶと同時にドアを開けたら


静かでオレンジの教室の中に


1人で空来が窓の外を見ていた。


まるで俺たちの声は聞こえなかった


かのように反応していない。



「・・・空来」



もう1度静かに名前を呼んだら


ゆっくり空来はこっちを向いた。


泣いてはない。


でも、怒ってもない。


無表情、その言葉がぴったりな顔。



「・・・何?」



冷たい声。


空来じゃないみたい。



「空来に話すことがあって来た。


探したよ。おばさんも心配・・・」


「嘘」