空来は諦めたのか、俺の手に渡った
道具に一瞬目を向けたけど
何も言わなかった。
「行こう」
まだ何人か残ってる教室から
春馬と空来の3人で出た。
やっぱり1人足りないよね。
「舞衣はどこにいるの?」
表情も歩くスピードも変えずに
空来は俺たちに聞いてきた。
思わず春馬と目を合わせた。
想像していたのと違う。
もっと泣きわめくかと思ってた。
もっと問い詰めるように聞かれる
そう思ってた。
その方が気が楽なのにって
安藤から事実を聞かされた時から
俺はずっとそう思ってた。
「知ってるんでしょ?
舞衣は今どこにいるの?」