「心向〜、おばびょう」


あくびをしながら変な挨拶をするユウカちゃん。


「おはよう」

「今日は最後のチャンスなんだから頑張んなよ」

「うん、ありがとう。もう心臓がドキドキしてるよ」


そして私達は体育館に向かった。

体育館には昨日、在校生のみんなで卒業式の準備をしたのでシートが敷かれてある。


「寂しいね。やっぱり三年間なんてあっという間なんだろうな」


ユウカちゃんは苦笑しながらそう言った。


「悔い、残したくないね。短い時間だもん」

「うん。・・・あたしも頑張るね」


その"あたしも"の意味はなんとなく分かった。

頑張ってね、ユウカちゃん。私も頑張るから。