*ふわり、はつこい*

side*心向


ユウカちゃん、遅いなぁ。今頃速水くんとどんなふうになってるんだろう。

私はユウカちゃんを待つべく学校の玄関で一人立っていた。

色んな人が私の前を通り過ぎていくなか、かれこれ15分は経っている。

もうみんな部活やらで玄関を通る人はいなくなっていた。

─カタンッ─

靴箱の方から物音が聞こえた。

あ、ユウカちゃんかな!?

私はその音のした方へ小走りで駆けつけた。


「ユウカちゃ・・・っ・・・て、えッ!?」


そのにいたのはユウカちゃんじゃなく、陽汰先輩だった。


「お、どうした?誰か待ってんの?」


私に気付いた先輩はスニーカーに履き替えながらそう問いかけてくれた。


「あ、はいっ。ちょっと色々」

「へぇ。・・・あ、バレンタインでしょ?」

「ふぇ・・・!?」