*ふわり、はつこい*

「や、えっと・・・っ」


喉から言葉が上手く出てこない。

極度の緊張で声も微かに震えている。


「・・・幾田?大丈夫か?」

「だ、大丈夫・・・っ」

「・・・そうか?」


ああ、もう。じれったい。


「これ・・・!!」


あたしは思い切ってそうとだけ言ってチョコを差し出した。

もちろん、薄いピンク色のリボンが掛かったもの。


「え・・・」

「受け取ってもらえる・・・かな。作ったの。至に」

「幾田」

「嫌なら捨ててもらっても構わないから!」


チョコをぐっと前に出した。