ユウカちゃんには恥ずかしいから今は内緒だけどこの一つ多めに貰ったケーキは"あの人にあげられたらな"っていう一切れ。
「ラッピングしよっか。ケーキとちっちゃい市販のお菓子でも一緒に詰めておけばいいでしょ」
ユウカちゃんはそう言って自分の分のケーキのラッピングを始めた。
私もさっき買った可愛い花柄がプリントされたビニールにケーキとちっちゃいお菓子を詰めた。
最後の一つは一番、丁寧に。
「明日、楽しみだね」
ユウカちゃんは一つのチョコを眺めながら嬉しそうにそう言った。
ユウカちゃんはすごく優しそうな、愛しそうな目でそのチョコを見ていた。
よく見ればユウカちゃんが手に取っているそのチョコだけビニールの口を塞ぐリボンの色が薄いピンクだ。
他のは少し濃いグリーンなのに。
ねえ、ユウカちゃん。私、知ってるよ。ユウカちゃんも誰かに恋してるんだよね?だって、すごく優しい目だもん。見てたら分かっちゃうよ。なんだか嬉しいな。
「うん、楽しみだね!」

